生理中は診察できますか?婦人科診察のタイミング
こんにちは、千葉市で婦人科を診察している林です。
今日は皆さんからよくお問い合わせいただく診察のタイミングについて書いていこうと思います。
「生理が始まってしまったんだけどがん検診はできる?」
「卵巣の腫れの経過をみるんだけど、いつがいいのかな?」など、診察前の不安の助けになると幸いです。
1.子宮がん検診―できれば生理が終わってからが〇
膣内に経血がある状態だと、うまく子宮頸部の細胞が取れずに偽陰性(本当は異常があるのに正常とでること)となる可能性があります。生理の終わりかけで出血がかなり少なくなっているときは問題なくできることもあります。
2.卵巣の腫れ(卵巣嚢腫)のチェック―以前からずっとある嚢腫の観察はいつでもOK!初めての診察or2回目くらいまでは生理中~終わりかけ(3~7日目くらい)がいいでしょう〇
実は卵巣は生理の周期で腫れたりしぼんだりを繰り返しています。生理中~生理の終わりかけは卵巣が一番リセットされている状態で、卵巣の観察にはベストな時期となります。
生理から10日目くらいから卵巣は排卵に向けて卵子を育て始めるためエコーで見ると腫れてみえます。排卵したあとも水や出血が溜まって腫れて見えることがあるので、正常の状態の判断は難しくなります。そのため、初めて来院した際に卵巣が腫れていた場合、生理の終わりかけにもう一度来院して頂いて経過を見ることが多いです。
ただし、以前からわかっている卵巣のう腫の経過をみるのであれば、前回の画像と比較できるのでいつでも大丈夫です。
3.子宮筋腫のチェック―いつでもOK〇
子宮筋腫は生理周期の影響をあまり受けないので、いつ来院して頂いてもかまいません。
4.排卵時期の推定のためのチェック―生理周期にもよりますが、生理の開始から10-12日目に一度みるといいです〇
生理周期が28日の場合、排卵は通常生理の開始から14日目くらいになります。タイミングの時期を検討したい場合は10-12日目に来院して頂くとよいでしょう。
大体の排卵時期の目安ですが、生理周期が24日の方は10日目、生理周期35日のかたは21日目くらいになります。
生理周期が安定せず排卵時期がわかりにくい場合はまず受診してご相談ください。
5.妊娠したかも!―生理予定日から1週間後以降に来院してください〇
エコー検査で胎嚢が確認できるのは5週目(生理予定日から1週間後)以降です。それより前に受診されても、尿検査での妊娠反応くらいしかできる検査はありません。
ただし、妊娠の可能性があって不正出血が続いている場合や腹痛がある場合は時期にかかわらず受診をお願いいたします。子宮外妊娠など、命にかかわる病気の可能性があります。
<番外編>生理中の診察はここを気を付けよう!
当院では上記のタイミングを踏まえて、生理中の診察でも問題ない場合はご本人の了承のもと診察させて頂いています。
生理中の診察では下記の点にご注意をお願いします。
●服に血がついてしまう
注意しながら診察していますが、着替えなどの際にも服に血液が付着してしまうことがありますのでお気を付けください。白い服やロングスカートは避けた方が良いかなと思います。
●子宮が押されて痛い
生理中の子宮は敏感で、診察の際に押されたりすると痛みが強く出ることがあります。慎重に診察を行っておりますがお痛みなどあれば教えてください。
今日は婦人科診察のタイミングについて書いてみました。
学校や仕事、家庭の用事で忙しくされている皆様の受診の一助になりましたら幸いです。
にへい脳外科
婦人科専門医 林博美