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ミレーナについて 挿入の実際

[2024.06.07]

こんにちは、千葉市都町で婦人科の診療をしている林博美です。

前回のブログを読んでミレーナ希望で来院される患者様が増えていて、関心が高まっているなと感じています。

今回はいざミレーナを入れる!となったときの注意事項や事前の検査などについて、質問形式で説明していきます。

 

保険?自費?

ミレーナが保険適用になる方は、下記の症状のある方です。

・生理痛がある(=月経困難症)

・生理の量が多い(=過多月経)

上記の症状がなく、避妊目的で挿入される方は自費(55,000円)になります。

保険適用だと挿入時の費用が約1万円程度です。(事前に検査など必要な場合もあります)

 

ミレーナを入れられない人はいる?

ピルなどの飲み薬より全身への副作用が少なく、コストも抑えられる傾向にあるミレーナ。ただし挿入できない方もいます。ミレーナの禁忌にあたるのは下記のような方です。

・子宮外妊娠の既往がある方

・妊娠の可能性がある方・産後6週間以内の方
 *産後の挿入時期については子宮穿孔のリスクがあるため6か月程度は空けた方が望ましいです。

・過去3か月以内に性器感染症のある方

・子宮の形に異常がある方・子宮筋腫がミレーナの挿入場所にある方

・子宮がんの可能性がある方

・肝臓に病気がある方

・婦人科の診察で湿疹や迷走神経反射など起こされる方

ミレーナを入れられない場合は、低用量ピルやディナゲストなどの飲み薬で治療することが多いです。

飲み薬の説明はこちらをご覧ください。

 

事前の検査は?

ミレーナご希望の場合はまず診察のために来院をお願いいたします。必要な検査は下記になります。

・経腟超音波

 子宮の形や筋腫の有無などを確認します。

・子宮がん検査(体がん・頸がん)*必要に応じて

・クラミジア検査 *必要に応じて

上記検査の半年以内の検査結果がありましたら持参をお願いいたします。

 

いつ入れるの??

検査結果がそろうと、いざ挿入になります。

入れるタイミングは生理終わりかけ~生理7日目くらいまでです。

 

入れ終わった!そのあとは?

無事に挿入したら、次の診察は1か月後になります。ミレーナの位置に異常がないか、出血の量が多くないかなどの確認をします。

問題がなければ次はミレーナ挿入から3か月後、半年後、1年後に診察を行い、それ以降は1年に1回の診察になります。

最初の数か月に不正出血がだらだらと続くことはよくありますので、少量であれば経過をみてください。

 

いつ抜くの??

ミレーナは挿入後特にトラブルがなければ5年間入れておくことができます。

5年経過後、閉経までまだ期間がありそうな場合は入れ替えを行います。

閉経した場合は早めに抜くことも可能ですが、ミレーナを入れていると生理が極端に軽くなり、閉経のタイミングがわかりづらいこともあるためホルモン検査なども併用しながら抜く時期を検討します。

また妊娠を希望する場合は、妊娠希望のタイミングでいつでも抜くことができます。

 

生理はどうなる??

ミレーナ挿入中の生理は人によってかなり個人差があります。毎月少量の出血がある方から、生理がなくなる方まで様々です。

 

挿入中に気を付けることは?

よく聞かれますが、タンポンの使用は問題ありません。

しっかり定期検診を受けていただければ問題ないことが多いですが、万が一下記のような症状が出た場合は来院をお願いします。

・多量の性器出血があった時
 →ミレーナの脱出やずれ、子宮がんなどを疑います

・妊娠を疑う徴候(吐き気、食欲不振など)があった時
 →妊娠の可能性があります

・性交痛・性交後違和感・パートナーの陰茎痛などがあった時
 →ミレーナの脱出やずれ、除去糸の不具合が考えられます

・発熱を伴う下腹痛・持続性の下腹痛があった時
 →骨盤内の感染症やミレーナの脱出やずれの可能性があります

・下肢の疼痛・むくみ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、急性の視力障害、著しい血圧の上昇などがみられた時
 →血栓症の可能性があります

 

しっかり準備で快適なミレーナライフを

事前の準備や挿入後の注意をしっかり確認して、安心で快適なミレーナライフを送って頂けたらと思います。

私も挿入して早3年になりました。実体験もまじえて皆様のご相談に乗りたいと思いますので、お気軽にご来院下さい。

 

にへい脳外科 産婦人科専門医 林博美

 

 

 

 

 

 

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