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生理痛

生理痛はないのが普通。痛み止めを1回でも飲むなら、それは病気のサインかもしれません。

「生理中は具合が悪いのが普通」

「痛み止めを飲めば平気だから大丈夫」

そうやって受診をしない方も多いようですが、生理痛はないのが普通です。

生理に伴って何か困る症状があるなら一度産婦人科を受診してみましょう。

生理痛に隠れている病気

1.子宮内膜症

生理がある女性10人に1人が発症すると言われています。特徴的な症状として重い下腹部痛、腰痛、排便時の肛門痛、性交痛、不妊症などがあり、生理期間以外にも痛みがあることもあります。原因ははっきりとわかっていませんが、本来子宮の中でだけ増殖する子宮内膜の細胞が卵巣や直腸・骨盤内などで増殖するため、月経のたびにその部位が出血して痛みを出します。

そのため年を重ねるごとに痛みが強くなるのも特徴です。進行すると卵巣にチョコレートのう腫と言われる腫れを作ったり、卵管が閉塞したりして不妊症になります。

2.子宮筋腫

 

生理がある女性の4-5人に1人が発症する良性の腫瘍です。子宮の中、外側、子宮筋の中など子宮の様々な場所にできます。サイズが大きくても症状がない場合もあれば、ほんの数センチの大きさなのに強い症状を出すこともあります。よくある症状は生理の量が多い、不正出血、生理痛、頻尿、不妊などです。前述の子宮内膜症と20%で合併します。

 

 

 

 

3.子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮内膜症と同様10人に1人くらいの頻度です。でき方も似ていて、子宮内膜の細胞が子宮筋層内で増殖すると子宮腺筋症、それ以外の部分で増殖したのが子宮内膜症です。よくある症状は生理の量が多い、生理期間が長い、下腹部痛などです。子宮筋腫と高率に合併します。

上の3つの病気はエストロゲン依存性といって、女性ホルモンの影響で基本的に悪化していくため、閉経~閉経後しばらくまで症状が続くことが多いです。できるだけ我慢せずに、気になる症状があれば早めに相談してください。

治療法は低用量ピルなどのホルモン剤や漢方、注射、手術など様々で患者様のライフステージや症状の強さなどを考慮して相談しながら決めていきます。対話の中で、患者様にあった最良の方法を見つけられると良いなと思っています。

何の病気もないのに生理痛があることもあります。

検査の結果、何の病気も見つからないことも多々あります。生理の血を子宮から押し出すためにプロスタグランジンというホルモンが子宮を収縮させ、それにより痛みが生じます。プロスタグランジンは血管を収縮させて血流を悪くし骨盤痛を生じたり、腸の動きにも影響して下痢や胃のムカムカ感、吐き気を起こしたりします。

こういった不快な症状ももちろん治療が可能で、プロスタグランジンを抑える薬や胃を保護する薬、ホルモン剤や漢方など飲み薬での治療がメインになります。

質の良い睡眠や食事、ストレスをためない、体を冷やさないなど、生活習慣の見直しで症状が改善することもありますので必ずしも薬が必要ではない場合もあります。

毎月の生理のお悩みが少しでも改善するよう願っています。

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