プラセンタ治療について
プラセンタとは、胎盤のことです。
胎盤から抽出される様々な成分が、機序は不明ながらも多くの薬理作用を持つことが多数の実験で証明されています。
現在販売されているプラセンタ製剤は、人、ウマ、ブタなどの胎盤を使用しています。
診療で使用する注射薬は、国内の、感染のない健康なヒト胎盤を原料としています。
<プラセンタ製剤に含まれる成分> アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素、核酸、成長因子 *胎盤にはホルモンが含まれますが、プラセンタ製剤にはホルモンは含まれていません。 |
どんな効果があるの?
プラセンタの効果は下記のようなものがあります。
①疲労回復
②美肌効果
③抗アレルギー作用:アレルギーを抑える
④肝機能改善:肝臓の働きを強める
⑤更年期症状改善:男性・女性両方の更年期症状に有効
⑥乳汁分泌促進:産後の乳汁分泌を増やす
⑦創傷治癒促進:傷の治りをはやめる
実際に使用している患者さんの声を聞くと、疲労回復効果と美肌効果がかなり効果を実感しやすいようです。
また更年期に関しても臨床研究では77%の方に効果が認められており、hot flashやイライラなどに効果的です。
値段は高いの?
プラセンタ製剤には注射剤、塗布剤、内服のサプリメントなど様々なものが販売されており、値段はさまざまです。
保険診療で使用する注射薬は、初診で約1000円、再診だと約500円で使用可能です。
当院で使用しているメルスモンというプラセンタ製剤は①更年期障害②乳汁分泌不全に保険適応があり、ラエンネック(当院採用なし)というプラセンタ製剤には①肝機能障害に保険適応があります。
更年期障害にあてはまる年齢が45~59歳と決められているので、更年期症状があってもその年齢に当てはまらない方や男性の方は自費診療となります。
自費の場合は1アンプル税込1,100円で可能です。
どうやって打つの?痛いの?
注射薬ですので、1回2mLを皮下に注射します。二の腕に注射することが多いですが注射部位に皮下出血を起こすことがあり、気になる方はおなかやおしりに注射することもあります。
痛みはほかの注射薬と比較して強いわけではありませんが、作り方の違いでラエンネックのほうがメルスモンより痛みが少し強いと言われています。
使用頻度としては週に2-3回の使用で効果が実感しやすいです。
副作用は?危険なことはない?
メルスモンの副作用には下記が報告されています。
5%以上 | 0.1-5%未満 |
注射部位の疼痛、発赤など | 悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹など |
他の注意点としては、下記があります。
①感染症のリスク
ヒト胎盤を原料としているため、厳重な管理を行っているが感染症のリスクを完全に排除することはできません。メルスモンは1959年に承認されて長く使用されていますが、これまでメルスモンによる感染の報告はありません。
②輸血・臓器提供の制限
上記の感染症の理由から、1度でもプラセンタ注射を行った方は他人への輸血ができなくなります。自分が輸血してもらうことはOKです。
臓器提供についても同様の理由で制限されていますが、臓器を提供される患者への十分な説明と同意があった場合は可能です。
③ショックのリスク
たんぱく製剤のため、ショックを起こす可能性があります。
診察でお悩みの症状を伺うとプラセンタの適応になる方は実はたくさんいらっしゃいますし、使用された方からの効果実感も声も多いお薬です。
興味のある方は一度ご相談にいらしてくださいね。